平成23年度 コアSSH概要
SSHとグローバル教育の高いレベルでの融合をめざして
愛知県立時習館高等学校長 林 誉樹 |
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本校は、文部科学省が企画するコアSSH(海外の理数教育重点校との連携)の事業として、平成24年3月5日(月)から11日(日)まで1週間の日程で英国を訪問し、「日英の高校生による科学技術に関する合同研究発表会」を実施しました。 日本からは、時習館高校の生徒を中心に、愛知県下16校の高等学校(旭丘、明和、瑞陵、西春、一宮、五条、豊田西、岡崎、刈谷、豊橋東、豊丘、豊橋南、国府、蒲郡、名城大学附属、時習館)から選抜された57名の生徒が参加しました。 英国からは、時習館高校の姉妹校であるロンドンのセント・ポールズ校及びセント・ポールズ女子校を中心に8校から100名を超える生徒が参加しました。 |
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合同研究発表会では、ステージ発表、ポスター発表ともに英語での発表・質疑応答がなされました。
日本の生徒も1年間の研修を経て、見事に英語での発表や質問への受け答えを行ない、英国の教員及び生徒から高い評価を受けました。 帰国後、英国の担当責任者であるセント・ポールズ校の理科主任 Dr. Ken Zetie から、次のコメントをいただきました。 「Thank you very much indeed for arranging to bring all the students to the conference. Everyone I have spoken to was extremely impressed by the work presented by the Japanese students and by the quality of their English. It was a fantastic opportunity for all our students as well. (日本人生徒の皆さんの合同研究発表会への参加、本当にありがとうございました。 私を含め全ての者が、日本人生徒の発表内容及び英語の質の高さに大変感銘を受けました。 私たち英国の生徒にとっても素晴らしい機会となりました。)」 |
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この合同研究発表会の内容は、英国の理科教育研究誌や一般科学雑誌に掲載されます。 また、今回の英国訪問ではケンブリッジ大学を訪れ、トリニティ・ホールにおいて、日本人フェローの時枝正博士及びエマニュエル・カレッジ教授のジョン・コーツ博士による講演会を開催しました。 時枝正博士は「一枚の紙からひろがる科学」という題名で、ジョン・コーツ博士は「Arithmetic throughout history」という題名で、高校生にとってとても興味深いお話をしていただきました。 ジョン・コーツ博士は英語による講演でしたが、生徒は熱心に聴き、英語での質問が多数出ました。 |
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英国を代表する理数系教育先進校との科学技術交流、世界最先端の科学をリードするケンブリッジ大学やキャベンディッシュ研究所への訪問は、学術研究面だけでなく様々な面において参加した生徒に大きな影響を与えました。
英語を通しての科学技術に関するコミュニケーション能力を高めるためには、英会話力だけでなく科学技術に関する確かな学力やしっかりとした教養を身につけて、自分の考え、建設的な意見を堂々と述べる力が求められることを、生徒は実感したことでしょう。 今回の英国研修を通して、日本とは異なる文化、習慣、考えを肌で感じとり、さらに英国の高校生と論議を深め、友好という絆をつくることができました。 素晴らしい研修であったことを嬉しく思います。 |
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来年度は、セント・ポールズ校のドイツでの姉妹校であるオットー・フォン・タウベ高校も参加し、日本、英国、ドイツの3ヵ国で「高校生による科学技術に関する合同研究発表会」を開催します。
今年度の成果をもとに、さらに内容の充実した発表会となることを期待します。 最後に、本校のコアSSH事業にご協力をいただきました多くの皆様に、厚く御礼申し上げます。 |