愛知県立時習館高等学校におけるコアSSH(海外の理数教育重点校との連携)実施要項
主催
愛知県立時習館高等学校
*平成24年度文部科学省指定スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業におけるコアSSH(海外の理数教育重点校との連携)として実施
研究開発課題
「国際性と実践的コミュニケーション能力を合わせもつ科学技術エキスパートの育成~英国及びドイツの高校生との科学技術交流~」の研究開発
趣旨及び研究の概要
趣旨 |
英国及びドイツの高校生との国際交流、並びにケンブリッジ大学の研究者による講演等を通して、最先端の理科学研究を学ぶとともに、国際人としての資質を磨き、英語によるコミュニケーション能力を身につけさせる。 |
研究 の 概要 |
- 国際的な学術の世界で活躍できる人物の育成
大学又は大学卒業後に、世界の科学技術をリードする大学や研究機関で学び活躍する人物の育成を目指す。
そのためには、高校生の時期に海外の先進的な理数教育を受けている同世代の高校生や世界を代表する研究者との交流を通して、自然科学分野を中心とした国際的視野を身につけるとともに、高度な英語運用能力を磨き総合的な国際性を育成することが大切である。
現在、本校は英国のセント・ポールズ校及びセント・ポールズ女子校の2校と姉妹校提携を結んでいる。
この関係をもとに平成23年度の事業を発展させ、英国の先進的な教育を展開している複数の高校と、本校を拠点校として愛知県内のSSH指定校並びに指定校以外の高校とも連携し、自然科学分野での共同研究や英語による合同研究発表会を開催する。
平成24年度は、さらに本校と理数系学術交流を約束しているドイツのオット・フォン・タウベ・ギムナジウム校(OTTO-VON-TAUBE GYMNASIUM)との連携を加え、日・英・独の三国で実施する。
- 研究活動の国際化及び深化
現在各校、各個人で行っている研究テーマをもとに、参加者を地球物理班、生化学班、生命環境班、数学班の大きく4グループに分け、英国連携校において同様な分野で研究活動している生徒と電子メール等を利用し、意見交換を積極的に行う。
このことにより、自校のみならず他校並びに他国の高校生の研究成果や科学的思考を吸収することができ、現在の研究方法を発展させ、研究内容をより深化させるとともに探究心や研究意欲の向上につながることが期待できる。
- 国際感覚を持つ教員の育成と資質向上
英国連携校と本研究に携わる理数系教員の交流を通して、両国の理数教育活動の意見交換・情報交換し、科学技術エキスパート育成のための視点を学ぶ機会とする。
海外の学校との連携を推し進め、展開していく経験は、本研究に係わる多くの教員の国際的視野の拡大、スキルアップと資質向上につながり、現高校生のみならず、将来にわたる高校教育全体の向上につながることが期待できる。
- 研究成果の普及
平成23年度に引き続き、「科学三昧inあいち2012」(平成24年12月に開催予定、あいち科学技術教育推進協議会主催)において英語によるステージ発表及びポスター発表を行う。
平成23年度の事後アンケート等を総括すると来場者からの評価は高く、また発表者のスキルアップにつながり大きな成果があった。
あわせて、一年間の活動内容を成果報告書としてまとめることにより成果の普及に努める。
年度末には研究成果を英国で発刊されている理科教育研究誌(Physics education他)に投稿し、広くその成果を英国及び日本、ドイツの高校生に紹介する。
- 最先端の大学等の施設訪問及び研究者との交流
ケンブリッジ大学において、世界を代表する研究者に講演を依頼する。
質疑応答等を通して研究者の科学に対する姿勢を学ぶとともに交流を深める。
また、キャヴェンディッシュ研究所を訪問し、現在の世界最先端の科学の土台となった研究の一端に触れる。
このような研究機関・施設の訪問に関しては、サイエンスコミュニケーター(各施設に配置されている専門の解説者)の協力を得て、より密度の高いものとなるようにする。
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連携対象となる学校と参加生徒数
時習館高校及び国内の連携校 |
愛知県内のSSH指定校または公立高等学校の生徒で、自然科学に対する意欲、興味、関心並びに能力が高く、地域や各校の中心となって研究活動している生徒。
対象生徒は1年生から3年生までの全学年とする。
ただし、平成25年3月に実施する現地研修(訪英)については、2年生の生徒のなかから30名程度を選考する。
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海外の連携校 |
- 英国 セント・ポールズ校とセント・ポールズ女子校及び他の高校
※補足:セント・ポールズ校とセント・ポールズ女子校について
両校ともに英国における最も高度かつ先進的な理数教育を行っている学校であり、多数の生徒がケンブリッジ大学やオックスフォード大学及び米国のIVYリーグの大学へ進学している。
- ドイツ オット・フォン・タウベ・ギムナジウム校
※補足:オット・フォン・タウベ・ギムナジウム校について
ミュンヘンにある男女共学、中高一貫の公立学校であり、ドイツ有数の科学教育先進校である。
才能ある生徒のために、数学と理科に特化したハイレベルクラスを設置し、ミュンヘン工科大学での講義・研究等に参加している。
英国のセント・ポールズ校とは20年以上前から姉妹校関係にあり、活発な交流が行われている。
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事業内容
オリエンテーション並びに国内連携校合同会議の開催 |
- 期日 平成24年6月
- 主な内容
a 本研究の目的と内容の説明
b 講演会 演題:「イギリスの歴史・文化と科学技術との関わりついて」(仮題)
講師:大学教授等に依頼
※イギリスの歴史・文化について専門家の講義を受講することにより、英国で科学技術が発展した背景等を学ぶ。
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事前研修 |
- 目的
英語によるプレゼンテーション能力及びコミュニケーション能力の向上を目的とする。
平成23年度の課題となった英語による質疑応答に対する英語力の向上を図るプログラムを実施する。
あわせて科学に関する英語論文等を教材として使用する講義を行い、読解力と科学的専門用語の理解力を高める。
- 期日 平成24年7月から平成25年2月の7回程度(主として土・日曜日)
- 主な内容
(ア) 講演① 演題:「国際会議での発表における質疑応答の極意」(仮題)
講師:篠原久典氏(名古屋大学教授)
講演② 演題:「Why do we teach science in schools?」(仮題)
講師:Dr.Ken Zetie(英国セント・ポールズ校理科主任)
(イ) 英語によるステージ発表、ポスター発表に係る作成、内容、発表方法の指導
(ウ) 語学研修 英語村の開催、英国からの来日生徒との交流
- 講師並びにTA
大学教員(理学系)、豊橋技術科学大学並びに愛知大学の留学生、県立高校に配置されている英語指導助手(AET)、英語科教員、理科教員
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英国及びドイツの連携校とのインターネットによる情報交換 |
- 目的
英国及びドイツの連携校の生徒と電子メールで互いの研究内容等について情報交換を行い、現地研修(訪英)が充実したものにする準備の機会とする。
また、来日時並びに訪英時は互いの研究についての意見交換等を行い、研究内容がより深いものになるようにする。
- 期日 平成24年4月から平成25年3月まで
- 指導担当 本校及び連携する学校の教員
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ケンブリッジ大学教授等の本校での講演会 |
- 目的
平成23年度の英国での現地研修で講演を依頼したケンブリッジ大学の時枝正先生又はジョン・コーツ先生を本校に招き、本校生徒全員並びに本事業参加生徒を対象に、海外で学ぶための資質や能力、研究者の科学に対する姿勢等について講演していただく。
- 期日 平成24年9月下旬
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英国連携校来日生徒との交流 |
- 期日 平成24年10月下旬
- 内容
セント・ポールズ校並びにセント・ポールズ女子高の生徒を受け入れ、授業や部活動への参加、ホームステイを通して、多くの生徒が交流を深める機会とするとともに、本事業の参加者においては、研究活動内容や研究成果等について情報交換を行う場とする。
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国内研究発表会(「科学三昧inあいち2012」のプログラムの一つとして実施) |
- 期日 平成24年12月
- 内容
英語によるステージ発表とポスター発表を行い、研修を通して学んだことを発表する場とし、来場した高校生とともに研究成果を共有する機会とする。
会は司会進行、質疑応答も含めて全て英語で行うこととし、効果的なプレゼンテーション並びに応答ができたかを検証する。
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現地研修(訪英) |
- 期日 平成25年3月上旬(7日間程度)
- 研修内容
英国のセント・ポールズ校とセント・ポールズ女子校及び理数系教育重点校さらにドイツのオット・フォン・タウベ・ギムナジウム校の生徒との研究協議等 |
地球物理班、生化学班、生命環境班、数学班に分かれ、互いの研究活動内容や研究成果等について協議や情報交換を行う。
電子メールを通して情報交換した内容をもとに各自の英語力を精一杯活用してコミュニケーションを図る。
<主な内容>
- 合同研究発表会の実施
日英独三国の高校生によるステージ発表及びポスター発表を行う。
- 共同実験・実習
英国連携校の実験室にて三国の理数系教員の指導のもと、三国生徒の混合班をつくり、協力して実験・実習を行う。
実験・実習テーマについては、事前に両国の担当教員で協議する。
- 国際科学技術コンテストに向けての研修
物理・化学・生物・数学等の各国際オリンピック大会の出場に向けて英国で作成された過去問題に挑戦する等の研修を行う。
- 理科教育研究誌(Physics education他)の投稿原稿の作成
1年間の研究成果をまとめ、英国連携校の生徒と協力して投稿原稿を作成する。(原稿はすべて英語表記)
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大学・研究施設等との連携 |
ケンブリッジ大学
- 大学の研究者による講演
研究室の見学及び物理系、化学系、生命科学系、数学系等の研究者に講演ならびに研究室等の見学を依頼。
研究者との質疑応答を通じて英国の科学教育の在り様や研究環境の状況を体感する。
このことにより、将来国際的な科学技術者として活躍するための意識をもつことを目的とする。
- 図書館での研修
大学図書館のチーフライブラリアン(小山 騰氏:本校卒業生)に講師を依頼し、同大学の図書館の在り方、貴重な芸術作品の収集と保管方法や年代測定等の科学的手法の活用などを研修し、人類が残した文化遺産の重要性について理解を深める。
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キャヴェンディッシュ研究所
研究所内のミュージアムおいて研修を行う。
世界最先端の研究の一端を学ぶとともにノーベル賞受賞者を多数輩出してきた研究所の歴史と研究環境並びに研究者の姿勢を体感することにより、将来国際的な科学技術者として活躍するために必要な素養を培うことを目的とする。
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ロンドン自然史博物館
展示物の見学及び希望に応じて生命ギャラリー・地球ギャラリー・ダーウィンセンターの3つのセクションにて研修を行う。
各自の研修テーマに沿って見学し、レポートを作成する。各個人がまとめた内容を発表する場を設定し、学習内容を共有するよう努める。
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科学博物館
数学、物理学、化学、エンジニアリング、輸送、鉱物学並びに通信といった「科学」に関するあらゆる分野のうち、各自の研修テーマに沿って見学し、レポートを作成する。
各個人がまとめた内容を発表する場を設定し、学習内容を共有するよう努める。
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大英博物館
博物館のスクール・チーム等に依頼し、主として科学技術に係る展示室を紹介・解説してもらう。
大英帝国時代の植民地から持ち込まれた各国の貴重な文化遺産を目前にすることで文化財保護の観点を学び、時代背景等を体感する機会とする。
また、各自の研修テーマに沿って見学し、レポートを作成するとともに各班、個人が体感した内容を発表する場を設定し、学習内容を共有するよう努める。
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英国の理科教育研究誌等への投稿 |
日英独三国の高校生が協力して、英国の理科教育研究誌「Physics education」等に研究内容等を投稿する。 |
報告書の作成 |
本研究について、参加者のレポートや関係者に対するアンケート等を実施することにより評価する。
成果報告書は英語でまとめることとし、次年度以降の国際連携事業の参考とする。
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参加希望生徒の募集について
参加者の要件 |
- 現在、自然科学に関する研究を行っている、またはこれから行う計画があり、12月及び平成25年3月(訪英時)の研究発表会において英語による発表ができること。
- 英語による日常的なコミュニケーションができること(英検準2級程度)。
- 各校の校長が責任を持って推薦できる人物であること。
- 10回程度実施予定の事前研修等に参加できること。
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募集の対象等 |
- 1年から3年までの全学年を対象として募集するが、各校からの推薦は4名以内とする。
ただし、平成25年3月上旬に実施予定の現地研修(訪英)については、2年生のみを対象とし、8月までに選考・調整する。
- 平成23年度の本事業において現地研修(訪英)に参加した生徒は、平成25年3月上旬に実施予定の現地研修(訪英)の派遣対象外とする。
- 平成25年3月上旬に実施予定の現地研修(訪英)は授業日を含むため、校長の承認を必要とする。
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申込み方法 |
別紙様式1に記入の上、5月11日(金)までに投函(郵送)してください。
※ただし、別紙様式1,2(ともにword文書として作成したもの)を添付ファイルにて5月11日(金)までに送信してください(資料作成のために使います)。
別紙様式2については参加希望者(本人)に作成させてください。
本実施要項を郵送でお送りした学校については、別紙様式1,2のデータを送りますので下記8「本件の問合せ先」の担当までメールでご連絡ください。
- 郵送先
〒441-8064 豊橋市富本町
愛知県立時習館高等学校 教頭宛て
- メール送信先(本校の所属メール)
jishukan-ko@pref.aichi.lg.jp 教頭 宛て(件名「コアSSH申込み(学校名)」)
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参加者の決定通知 |
5月21日(月)までに参加者を決定し、お知らせします。希望者多数の場合は、提出書類等をもとに選考します。 |
旅費等
- 生徒の訪英のための渡航費についてはSSH費用より支給します。
ただし、宿泊費と食費は自己負担となります(平成23年度の訪英に係る自己負担額は約5万円でした)。
- 生徒の国内における旅費は、年間10回程度の研修のうち7回分をSSH費用より支給します(ただし、豊橋市内の学校に通学する生徒については支給しません)。
なお、教員の国内における旅費は各所属でご負担ください。
本件の問合せ先
愛知県立時習館高等学校 教頭